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「君との思い出~さとみ先生と始める大人の恋~」感想・レビュー

 

 あまかけプラントの「君との思い出~さとみ先生と始める大人の恋~」を聴き終わったので感想を述べたい。


 まず渕上舞を起用したことに対して厚く御礼を申し上げたい。どうして今までどのサークルも使わなかったのか理解に苦しむ。基本的にはどのような役柄も演じられる芸達者さんだが、今作の年上女性という落ち着いたキャラクターとの相性は抜群である。無限に聞ける。


 落ち着いたお姉さんにリードされていく本作。全体を通して1時間ちょい。割りかしセリフ量は多く、雑談が多い。個人的にはこの時間だと詰め込み過ぎかなという印象。
 また、主人公(視聴者)の設定が決められ過ぎかなと。思い出を語ってくれるんだけど妙に設定が細かいので「知らんし」「いや俺バリバリの部活マンじゃねえし」と冷静になる。体育会系がこんなもん聞くかよと。
 ここはもっとプレーンというか、当たり障りのない思い出のがよかった。


 メインとなるのは40分超の耳かきパート。癖のない導入部から決め手のある囁きと時折漏れる吐息がジャブを積み重ねていく。オノマトペやら息を吹きかけるだとか肝は抑えている。肝心の耳かき部分の音に関しては……特に言うことはない。良くもなく、まあ、アホほど悪くもない。

 最後に寝息が少々。
 短いし、喋りっぱなしって感じだから、ドラマに重きを置いていて、その点、合わない人は合わないでしょう。

 ただまあ、女教師という設定はどうでもよかったのでは。ほとんど活かされていない。なにせ学校を卒業したあとの話であるからして在学中の交際に介在する背徳感やら罪悪感といったスパイスがない。誰もいない教室で、廊下から響いてくる足音にビビりながらこっそり耳かきしてほしいという感情もあった。

 食い足りなさを感じる作品だが、渕上舞のASMRが聞けるのは世界中でこれだけなのでそこに価値は見いだせる。