ばうわうひひーん

テキストで吠える

最近見た映画の感想

 

 アプリをしながら映画を観るのが好きだ。
 今はウマ娘ほか、色々とアプリを進めているので、映画もガンガン流しまくる。覚えているものを備忘録的に。

 

 とりあえずといった感じで疫病神シリーズの破門、螻蛄。次いで凶悪を観た。アホみたいなラインナップだが、おすすめで表示されるのだから仕方ない。


ヒメアノ〜ル

 ざっくり言うと、童貞と童貞とサイコキラーと童貞殺しのお話。

 どこにでもありそうな雰囲気の中、薄ぼんやりと本作はスタートする。

 童貞に好かれる女、ユカ。彼女を軸にしての話が始まる。立ち上がりはスロー。童貞濱田岳、童貞ムロツヨシのぎこちなさのあるやり取りで、ストーリーはラブコメのようにゆるーく転がっていく。やがて童貞は童貞を捨てる。やったね。

 が、世にも恐ろしいタイミングでのタイトルバックの後、空気が一変。本作の主演が紛れもなくサイコキラー森田剛であることを実感させられる。あ、この映画はこっから始まるんだなと思い知らされる。

 原作とは違い、モノローグを排除している。それが森田の得体の知れなさを強めていてよかった。
 演出は非常に嫌らしい。たとえば、ある場面を交互に映すのだが、分かりやすく効いてくる。

 童貞二人もいい感じだし、ユカちゃんは男の転がし方を知ってて悪女っぽさがいい。しかしやはり何よりも森田剛がすげえ。本作が映画初主演らしいが……多くは語らないもシコってる時にあの顔できるか? 俺もあの目は一生忘れん。えっぐいキャラ。演技に見えん。100点満点というか、殿堂入り。別枠やね。

 結構きつい場面が多いように感じる。暴力は疫病神や凶悪でも振るわれるが、それなりに前置きがあるし、暴力に近しい状況だからある程度は飲み込める。本作は日常的というか、どこにでもありそうな光景の中に直接的な描写が突っ込まれる。ヒットした後の痙攣とか、ヒットするたびにしょんべん飛び散るとか、たぶん孤狼の血とかね、そういうのより残酷。それはやはり暴力を振るう方も振るわれる方も自分にとって身近に感じられるし、そもそもその暴力も意味がない。金勘定銭勘定とか関係なく襲ってくるのでやーさんのそれよりタチが悪い。

 それでいて着地点はちょっと想像つかないところに。なかなか揺さぶってくる映画でした。

 あんまりにもなので、放課後ていぼう日誌見て回復します。


ミュージアム

 小栗旬がうるさい映画。ファンは必見。ショッキングなシーンが多い。中だるみというか、見てて長く感じた。

 漫画的だと思ったが、原作はやはり漫画だった。みんな言ってるが、ざっくり言うとセブンとソウを足して……2で割った? でもないが、まあ、影響は受けてんのかなって感じ。

 説明も過多だったかな。そんな言わなくても分かるし、早い段階で底が知れる。

 役者は、妻夫木くんはあのキャラで嫌味がなかった。人柄やね。松重豊は基本的に頼りになる上司で安心感がある。ラストあたりの尾野真千子は良かった。強くて草生える。

 底意地の悪いラストショットといい、セブンよろしく雨降りも多く、全体的に陰鬱。死体の描写なども頑張っている。悪くないがこの雰囲気なら演技とセリフがうるさ過ぎた。


刑事グロムと粛正の疫病ドクター

 酷いタイトルに心を惹かれた。どんなクソが待ち受けているのか覚悟したが杞憂に終わった。中身は王道のヒーローものだ。

 ロシア映画で冒頭からテンポがいい。中だるみしそうなところはあったが、主役は熱血漢で荒々しく、孤高だ。古臭いというか、由緒正しい不良刑事(デカ)。財布をなくした年寄りに金を押しつけて立ち去る姿はスクライドのカズマを彷彿とさせる。

 脇役もいい。キャラが立っている。特に上司のプロコペンコ関連。

 勘違いしそうになるが主人公のグロムには特殊な能力などない。考えて考えて、身一つで事件を解決に導く。彼独自のシミュレーションがアクションシーンに少しスパイスを加えて、うん美味しいといい出来になる。

 グロムが追うのは疫病ドクター。ペストマスクを被り、火炎放射器をぶっ放し、正義の名の下に市民の敵をぶっ殺す。SNSなんか駆使しちゃって頭も切れる手強いヴィランだ。

 ドクターを追ううち、ストーリーは市民を巻き込んでバットマンやらジョーカーらしくなっていく。追い込まれるも考えて考えてグロムは捜査を続ける。考えるのをやめた時、彼の周りにはあるものが。

 ネトフリ作品らしく満点を取ることはないが優等生らしい出来でした。


微笑む人

 ネトフリにてドラマ版を視聴。松坂桃李ええな。
 イヤミス系に入る作品だろうか、真実は特に明かされないが、まあ、そうだよねというところに落ち着く。どこまで彼が目論んでいたのかは定かではない。

 原作とドラマでは結末が違う。ドラマ版は分かりやすいところに持っていったかなという印象。原作のがよりモヤモヤできるとは思う。

 松坂桃李もあの旦那もいい笑顔でした。


告白

 イヤミスの女王こと湊かなえの作品。これに限らずイヤミス系って、そこまで人を愚かというか、悪意マシマシで描けるのはすごい。どんな人生送ったら思いつくんだろう。


少林サッカー

 間違いない名作。何度見てもようできとる。
「みんなが戻ってきた」の覚醒シーンはアームズのくれてやる3連発に匹敵する。


羊の木

 寂れた町に、元受刑者が6名。そして全員殺人犯。静かなそこは次第に歪んでいく。

 設定はクソほど面白そうだったのに、思ったより話が動かねえという感じでした。

 羊の木はバロメッツという伝承から取られているようで。キャッチコピーの信じるか、疑うか。ということからも、伝聞された情報を得た時、自分が何を信じるか、みたいなのを指しているのかなと。それは劇中で秘密を最初から知っているキャラであったり、我々視聴者も、移り住んできた受刑者たちをどのように捉えるかというのがこの作品の見方だったように思います。

 個人的MVPは優香。彼女をエロいと思ったのは生まれて初めてでした。


バトルロワイヤル

 今見たら大したことないですが、当時の盛り上がりはすごかった。やっぱ名作には時代も大事。


エクストリームジョブ

 ダメ刑事たちが悪いやつを捕まえるためにチキン屋を買い取って張り込みだ。が、店は予想以上に繁盛しちゃった、という。

 出だしの設定自体が面白く、何よりテンポが良い。話がころころ転がっていく。チームの掛け合いが小気味よく、普通に笑える。

 店が繁盛したり、悪徳店として叩かれたり、チーム解散の危機に陥ったりと見ていて飽きない。このままダラーっと進むのかと思いきや、これまでダメ扱いされていた主人公らが、まさかのフィジカルエリートであることが判明。伊達に麻薬捜査官じゃない。ラストのアクションシーンは無双ばりの爽快感が得られる。

 キャラクターがめちゃ立っていて、こいつらの話があと100時間は見たいと思わされた。

 よくできた超良作。何回も見られそう。


アーミーオブザ・デッド

 ゾンビ繋がりで。これを視聴。
 オープニングから期待感のある雰囲気で、鬼強いゾンビが軍隊をスラッシュ。

 トップレスのダンサーゾンビ登場からのタイトルバックでこれはいいぞと確信。さすがザックスナイダーといったところか。とんでもないゾンビ映画の名作が登場やと絶頂寸前。

 しかしここがピークだと知る。
 ゾンビでいっぱいのラスベガス。そこの金庫を破れという話。仲間を集めて、さあ行くぞと意気込んだが展開は実にスロー。ドスロー。ガンガンぶっ放しながらガンガン血肉が飛び散るのを見たかった私にはちょっと違うかなと。

 馬に乗るゾンビで草生えたのでよしとする。


真・三國無双

 あのゲームが映画化。ストーリーは董卓討伐の虎牢関まででメインキャラは蜀の義兄弟。
 吹き替えが基本、ゲーム版準拠なのは嬉しい。
 謎空間で謎女との説明パートや、初見の呂布がどう見ても細くないと戸惑ったり。袁紹は雰囲気ある。
 ゲーム版よろしく人をゴミのように吹き飛ばしまくる武将も強いが馬が強すぎる。予後不良になりそうな動き。アクションはゲームらしくて良い。呂布とのバトルも思ったより見応えがある。
 これだけだとうーんだが、劇伴が無双で最高だった。


ミスターノーバディ

 おっさんを敵に回すからこうなる。しかもその家族まで敵に回すと。
 敵が可哀想になってくる点はイコライザーっぽい。

 製作陣はジョンウィックチームということで、たしかに似通っているところもあったか。

 ジョン・ウィックセルフオマージュだが、主人公はスタイリッシュには見えない、冴えない中年。冷たい家庭と職場を往復するだけの日々、それがバスの車内で爆発する。このアクションシーンが泥臭くて見もの。というか基本的にアクションが面白い。

 敵役はロシアンマフィアだが、そんなんどうでもいいくらい主人公が頭おかしい。最初こそ大丈夫かこいつ……弱くねえかと思って観てたが、途中から無双しまくってて笑うしかない。

 クリストファーロイドが銃ぶっ放して楽しそうなのが素敵だった。おっさんだけじゃなくてジジイもつええんだ。


紙の月

 いち銀行員が横領に手を染めたよというおはなし。
 宮沢りえがエロいだけやなーと思って観てたら最後の最後で草。そんなスタイリッシュというか、無茶苦茶なやり方ある?

 平凡な主婦が、という触れ込みだが、こいつ絶対やべーやつだわ。行動力無限大だし、そもそも人の金に手をつけることに関して何とも思ってなさそう。マジモンのサイコパス


ドントルックアップ

 でけえ彗星が半年後、地球に衝突する。その事実を世界に伝えようとする科学者の奮闘を描く、ってわけでもないが、そんなお話。

 劇中、最初は全然誰も聞く耳持たないが、案外そんなもん。やばいってなった時、いったん思考停止して立ち止まるのは普通のこと。
 パニックムービーではなく全方位風刺映画。

 ただ、これって実際もそうなるよなという感じがある。笑えるけど笑えんよなという世の中になりましたねという。

 秀逸なのはラスト。えー、そんなんあり? でもちょっとスッキリ。

 コメディ風だけどひたすらに救いがない。考えさせられる良作。


アイアムアヒーロー

 普通に見られた。ゾンビも結構頑張っててグロい。あと動きがきしょいのと、うわ言も相まってより気色悪い。

 アクションパートはよくできているように思う。高速での車内とかね。

 銃ぶっ放してからがかったるく感じた。もうちょいこう、音楽とかどうにかならんかったかね。

 邦画であるのを踏まえてもゾンビものとしてめちゃめちゃいい出来で、ただ、原作とは趣が違う。キャラが弱くて薄い。全然立ってないから別にこいつらみんな死んでも何とも思わんって感じ。大泉洋はよかった。いい演技。


ナイブズアウト

 

 ミステリー映画。資産家の爺さんが死に、誰がやったかという話。

 探偵役にダニエルクレイグ。脇にクリスエヴァンスなどの豪華俳優。時間は長いが、クセのあるキャラがコロンボチックに事件を捜査し、クセのあるキャラを追い込んだりして案外飽きない。

 特にダニエルのやかましさがいい。自分に酔いしれているように喋る鬱陶しさがクセになる。
 ゲロ吐き少女マルタが素晴らしい。嘘をつくと吐いてしまう、ある意味便利な体質で、これがやっぱり面白く機能する。何よりもその清廉潔白が気持ちいい。

 細かな伏線もあり、二度三度と見られる出来。古典的、正統派なんだけどプロットにもクセがあって観ている方はおやおやと引き込まれる。

 ナイブズアウトとは剥き出しの悪意。それをぶつけられた人物が最後に取った行動に痺れた。